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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成30年6月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性 季節調整値)

現状判断DIは「41.6」と2ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲4.6ポイントと大幅に下回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「44.2」と2ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲2.5ポイントとやや下回った。

原数値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性)

現状判断DIは「42.8」と3ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲5.3ポイントと大幅に下回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「45.9」と2ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲1.6ポイントとやや下回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成30年5月25日~31日
回答者数 170/189名、回答率89.9%(全国1,852/2,050名、90.3%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(金属製品製造業)…受注量の増加に加え、引き合いの案件も増えている。

○「やや良くなっている」
(自動車整備業)…問合せ件数が30%近く増加し成約率も好調である。また、価格も高水準を維持している。 (電気機械器具製造業)…新規開発製品の市場投入スパンがキープされており、順調に推移している。我々の製品開発もそれをフォローするため、忙しい状況が続いている。
(建設業)…年度またぎで発注されていた公共工事の受注者が確定し、一時的ではあるものの、景気は上向き傾向にある。
(新聞社[求人広告])…多くの業種で事業は堅調に推移している。また、新卒枠を残しながらも中途採用に力を入れている企業が増えている。

○「変わらない」
(商店街)…ゴールデンウィークや休日のイベントは、例年どおりの来街者数となっている。ゴールデンウィークは特に県外の旅行客が目立ったものの、商店街の売上増加にはつながっていない。
(百貨店)…高額商材は堅調に推移しているものの、夏に向けたファッション雑貨、リビングアイテムの動きが鈍い。日々の気温の差が大きく、今一つ購買行動につながらないことも原因のひとつである。
(家電量販店)…この時期は、運動会などの行事や田植えに人手が取られて来客数が減少する。今年は好天に恵まれたため、更にその傾向が強い。
(住関連専門店)…来客数が若干減少しているものの、ネット販売が好調のため、全体的な売上は前年並みとなっている。
(観光型旅館)…ゴールデンウィーク後は動きが鈍くなるが、例年どおりの状況であり、売上も平年並み若しくは微減となっている。
(旅行代理店)…今月は特に個人旅行の売上が振るわないものの、3か月前と比較しても極端に景気が悪くなっているというわけではない。 (通信会社)…加入促進イベントや広告を展開したが、思ったほど反応はなかった。特にイベントについては、来場者数が予想を大きく下回り、広告への問合せも10件程度となっている。
(住宅販売会社)…消費税率の再引上げを意識した客も出てきており、年内着工希望に伴って受注予約も取れてきている。
(食料品製造業)…前年よりゴールデンウィークの休日が1日少なく、売上は減少している。また、連休明け後を曜日対比で比較すると、前年を下回る日が多い。
(輸送業)…現時点で物流に大きな変動はなく、比較的順調に推移している。
(広告代理店)…学校案内や会社案内などの印刷物における増刷部数が毎年減少している。
(経営コンサルタント)…食品を中心に値上げが目立つが、消費者の低価格志向もあり厳しい状況が続いていることから、収益改善には結び付いていない。
(人材派遣会社)…求人数の増加については、外食産業、建設業、塾などの不人気業種において、転職をする人が非常に増えてきているという背景がある。これらの業種からは社員が離職したという声を非常に多く聞いている。
(職業安定所)…求職者数は横ばい若しくは微減で推移している。ただし、新規求職者における離職理由別構成割合は、季節要因を除けば前年度とほぼ同水準となっている。

○「やや悪くなっている」
(医薬品販売店)…来客数の前年比が大幅に落ち込んでいる。高単価客と低単価客との2極化が顕著に表れており、価格に敏感な客層の来店が非常に減少している。相談のみの客も多く、低価格帯の商品でも高いと言われるなど、客の財布のひもが固くなっていることを実感している。
(コンビニ)…気温上昇のタイミングと花見やお祭の時期がずれたことで、人出が減少している。また、東北地方では県によって人口減少率の前年差が大きく、来客数動向に影響している。
(衣料品専門店)…ゴールデンウィークまでは非常に好調であったが、それ以降は、クールビズ関連の商材、スラックス、サマーフォーマルなどの動きが鈍い。購入単価は前年を維持しているものの、特売チラシには余り反響がない。消費が停滞しているのではないか。
(乗用車販売店)…ここ数か月、販売量は横ばい若しくは若干の減少で推移している。ただし、新型車の発売を控えて来客数自体は伸びているため、今後に期待している。また、一方でサービス収益の減少傾向が続いている。
(靴専門店)…小学校の運動会シーズンであるが、あえて運動会用に購入していないのか、他社で購入しているのかは分からないが、子供靴の落ち込みが大きい。
(一般レストラン)…県外からの客と地元客とでは、飲食に使う単価が違っており、地元客は節約気味である。地元客で潤わないと景気が良いとは実感できない。
(都市型ホテル)…宴会部門では、例年どおりに総会や懇親会などの受注があったが、数、人数共に前年に届いていない。宿泊部門は前年並みであるが、レストラン部門は来客数減少が響いて前年を下回っており、特に和食レストランの個室の減少が顕著である。
(遊園地)…5月初旬の天候が良くなかったため、好調であった前年と比較して来客数は大きく減少している。その後は少し回復したものの、落ち込み分をカバーするまでには至っていない。
(出版・印刷・同関連産業)…飲食店の動きが鈍くなってきている。また、建設関係も復興特需に陰りがみえてきている。

○「悪くなっている」
(スーパー)…ここ数か月、可処分所得が伸びないなか、ガソリン価格が高値を更新しており、客の財布のひもが固くなっている。
(高級レストラン)…デパートなども物が売れていない。経済が全然回っていないのではないか。
(美容室)…客の送迎をしている同業者が増えており、その影響が出ている。

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(人材派遣会社)…有期雇用者の無期転換に伴うレートアップという下支えに加えて、2~3か月先には、外資系生命保険会社の大型事務センター進出に伴う大口需要が見込まれるため、やや良くなるとみている。
(新聞社[求人広告])…地方でも人材に対する投資が増えており、うまくマッチングさえすれば景気も上向きになるとみている。ただし、現状ではなかなか採用には至っておらず、人手不足、規模縮小、景気下降の悪循環の危険性をはらんでいる。

○「変わらない」
(百貨店)…夏の商戦に向けては、一部アパレルのセール前倒しや晩夏商材の追加など、店頭在庫が改善されるような動きには期待している。ただし、中間層の動きは依然として鈍く、大きな変化はないとみている。
(一般レストラン)…総菜を買って家で食べるという人が増えている。この先、レストランで外食をする人が増えることは考えにくく、予約の状況からも現在と同様の状態が続くとみている。
(観光型旅館)…ガソリン、乳製品、粉物関係の高騰が落ち着かない限り、この先の景気は変わらないとみている。
(都市型ホテル)…この先の受注内容から、宿泊部門、宴会部門は前年並みの見込みである。レストラン部門は、夏に向けてのイベントなどの企画があるため、来客数増加を期待したい。
(遊園地)…記録的な天候不順であった前年の夏と比較すれば、今年は天候が例年並みに推移すればある程度の期待ができる。
(電気機械器具製造業)…製品開発スパンが短いといった状況は、しばらく継続する見込みである。人手不足の懸念があるものの、景気は良い状態で推移するとみている。
(建設業)…工事受注額は当初の見込みどおりであるため、2~3か月先も現状のまま横ばいで推移するとみている。
(公認会計士)…現在は、売上が伸びて利益を確保しているのではなく、固定費などの経費圧縮でやりくりをしている状況であり、特に小売業関係はこの傾向が強い。ただし、建設業、製造業関係は受注が好調であり、会社の話では秋頃までは今の状態が続くとのことである。
(金属工業共同組合)…先行きの受注見込みに大きな動きはみられてない、ただし、人手不足による人件費の上昇に加えて原料価格高騰が続いているため、収益の確保が厳しくなってきている。
(職業安定所)…新規求人の産業別状況をみると、製造業、卸売業、小売業は前年同月と比較して大幅に減少している。警備業からは更新に伴う大量の求人があるものの、景気動向を左右するような特徴的な要因も見受けられないため、このままの状況が継続するとみている。

○「やや悪くなる」
(コンビニ)…東京オリンピックに向けて、首都圏に人が集まることで、東北からの流出はより一層激しくなるとみている。また、被災地区において、居住許可が出ても人口の戻りが期待できない。そのため人口減少は継続するとみている。
(衣料品専門店)…食品などの値上がりにより生活防衛意識がますます高まっているため、ファッション関連の消費はしばらく期待できないとみている。
(旅行代理店)…なじみ客の予約は入るものの、プラスアルファの予約が入ってこない。特に国内旅行はどの方面も伸びが今一つである。
(食料品製造業)…連休明けに業界大手が秋口商品の値上げを発表したが、原料価格高騰、人件費、物流費、資材費の値上げは企業努力では対応しきれず、その影響で消費がどうなるかが心配である。
(出版・印刷・同関連産業)…建設業の復興特需の陰りにより、発注が控えられる可能性を心配している。
(窯業・土石製品製造業)…大型工事に対しての出荷が上期で終了予定であり、下期に大きな工事の予定がない。そのため、平成30年度の需要見込みは前年比で2けたのマイナスになるものとみている。

○「悪くなる」
(医薬品販売店)…なじみ客からも買い控えがみられ、このままプラス要因もなく推移すれば、どんどん悪くなる一方である。景気は良くないが、更に国会の場では後ろ向きな議論ばかりされているため、このことも将来の見通しを暗くして消費行動に影を落としていくのではないか。
(スーパー)…現状の売上は低下傾向にある。販促により持ち直している曜日もあるが、依然として下降している曜日もあり、全体としてはなかなか浮上していない。そのため、今後の景気は悪くなるのではないかとみている。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以上